秋になり、いろいろなお店にアップルパイが販売され続けている。その誘惑のレベルはなかなかのもので、目にするたびに買っては食べ、買っては食べを繰り返している。
それぞれのお店の個性が現れるアップルパイ。その多くはりんごを甘く炊いた優しいフィリング。りんごの酸味をガッツリ感じるものにはなかなか出会えず、どうしても食べたくなったのが自分のレシピのアップルパイだった。
青森産の硬めの紅玉をフレッシュのまま詰め込んで焼き上げるこのアップルパイは、正直優しい味ではない。酸味が得意で、スパイスの香りが好きな方限定で、試していただきたいレシピだ。パイ生地のストックが必要なので、「MY PIE」に掲載したレシピで作る場合は、片方を10g程多くして分割しておくと良い。
アップルパイ 直径約23cmのパイ皿1台分
材料
パイ生地(「MY PIE」に掲載したレシピの生地もしくは冷凍パイシート)2枚分
紅玉 600g(皮と芯や種を除いた果肉部分)*中玉約5〜6玉分
レモン汁 大さじ1
○三温糖 50g
○薄力粉 15g
○シナモンパウダー 1.5g
○ナツメグパウダー 1g
○クローブパウダー 0.5g
ドライクランベリー 20g
無塩バター 15g(+少々:パイ皿に塗る分)
準備
パイ皿に無塩バターを薄く塗り、全粒粉や強力粉などをはたいて冷蔵庫で冷やしておく。
○の粉類をあわせる。
無塩バターを細かく刻む。
オーブンを220℃に余熱しておく。
作り方
①りんごの皮や芯の部分を取り除き、5mm程度のくし切りにする。
②ボウルにくし切りにしたりんごを入れてレモン汁を絡める。そこにクランベリーと○の粉類を絡めて水分が出るまで置いておく。(りんご1枚1枚にスパイスがつくように、手でほぐしながら優しく絡める。)
③パイ生地の10g多い方(底用)を、打ち粉(強力粉や全粒粉)をしながら型より一回り大きくなるようにロールピンで伸ばし、型に敷き込む。室温が高い時は、この状態でふんわりラップをして冷蔵庫へ。
④もう一枚のパイ生地も打ち粉をしながら型の大きさに伸ばす。この時も生地が柔らかくなっていれば冷蔵庫に入れておく。
⑤型に敷いた生地の中に、りんごとクランベリーを山のように積み上げていく。(りんごでパイ生地に穴をあけてしまわないように、優しくふんわりと。)
⑥その上に、刻んだバターを散らす。
⑦トップ用の生地を最後にかぶせ、底に敷いた生地のふちでトップの生地を巻き込むようにぐるりと閉じていく。
⑧両手の親指と人差し指を使って縁の生地を交互に挟みこみ、波形に成形していく。(波型に成形しにくければ⑦の状態のままでも良いし、チェリーパイのように、上下の生地をあわせてフォークで1周押さえ、型からはみ出た部分をナイフで削ぎ落としても良い。)
⑨トップの生地に8か所ほどナイフを刺して空気穴をあけ、220℃のオーブンで約55分焼く(ガスオーブンの場合は200〜210℃。トップに焼き目がついたらアルミホイルをかぶせる)。粗熱が取れたらカットして完成。
酸味が強めのパイなので、バニラアイスとの相性は抜群。焼いた日に食べるのがベストだが、翌日になる場合はトースターで温め直すとパイ生地がさっくりする。(りんごの層が厚いので、中まで温めるためにはトップにアルミホイルをかぶせて5分程加熱する必要あり。)
紅玉の果肉をしっかり味わえる、ボリューミーなアップルパイ。誰かの「我が家の味」になりますように…。
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